大学生フィールドワーカーのブログ

散歩を通して、新しい発見をする。

【別府】境川はなにかの「境」になっているのか!?

みなさん、こんにちは!

大学生フィールドワーカーの山口泰輝です。

 

今回は温泉地・別府の中心部を流れる境川に注目してFWしてきました。

境川はその北を流れる春木川とともに別府の扇状地を形成したと言われています。

別府市全域の色別標高図では西から東にかけて綺麗なグラデーションになっていること、

つまり扇状地になっていることが確認できます。

 

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別府市(出典:地理院地図 色別標高図)

 

別府は西の鶴見岳火山の火砕流や土石流の影響、境川・春木川の河川によって「火山麓扇状地」という地形的特徴をもっています。また南北それぞれに広がる断層の影響によって「地溝」という特徴ももっており、地形的に富んだ土地になっています。この地形と別府が温泉地として有名であることには深い関係があります。その詳しい内容はまた書きますが、以前NHK番組ブラタモリでも取り上げられていたので、ご存知の方は多いのかもしれません。

 

さて今回はその地形ではなく、境川の「境」に注目します。

全国各地には境川や堺川など、漢字は違えど「さかいかわ」「さかいがわ」が多く存在しています。 有名なのは東京都および神奈川県を流れ相模湾に注ぐ境川ではないでしょうか。この河川名の由来はかつて武蔵国相模国の国境とされていたことに起因します。現在でも境川の上流部においては東京都と神奈川県の都県境となっています。この過程と同じように各地の境川や堺川の由来は主に土地と土地の境界部に当たることからだと言われています。

 

では別府の境川はどうだろうか?

境川別府市内を流れる川であるため、この河川を境に字名が異なることはあったとしても、ほかには何も「境」としての役割を担っていません。ではなぜこの河川は「境川」と名付けられたのでしょうか?その謎を探るべく、境川上流部から河口にかけてFWを行いました。

 

境川FWということでもしかしたら話題の「両◯橋」にも出会えるかもしれません!?

 

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別府市

 

 

別府の境川とは?

境川別府市西部に位置する内山・鶴見岳間を水源とし、別府市中心部を流れ別府湾に流れ込む二級河川です。この河川は水源である鶴見岳や地形の関係から土石流が発生しやすいと判断され、昭和7年大分県で初めて砂防事業を手掛けた「大分県砂防発祥の地」と言われています。さして昭和51年には九州で初めての砂防公園が設けられた場所でもあります。 

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〈 砂防公園に関する公式ページはこちら 〉

www.pref.oita.jp

 

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境川に「両◯橋」はある!?

河川には橋梁が付き物、というのはいかにも人文学的な発言であるが、普段の生活のなかで橋梁はなくてはならない存在です。しかしながらそのことに気づいていない人が多いように感じます。さて今回は別府市中心部に流れる「境川」の正体を探るFWであるのですがやはりここは一度、橋に注目してもらいたい。全国にも「境川」や「堺川」は多く点在しているのですが、その多くがある地域とある地域の境界線になっている場合が多いのです。つまりその河川にはある地域とある地域を架ける橋があるとも言えます。そういった場合の橋の名前には「両◯橋」と名付けられることが多い。したがって全国各地には「両◯橋」が多く点在しているのです。このことについては記事に書いていますのでぜひご覧ください。

 

〈 「両◯橋」についての記事はこちら 〉
fieldwork-tokyo2020.hatenablog.com

 

 

〈 「両◯橋」FWマップはこちら 〉

www.google.com

 

 

では別府の境川には「両◯橋」が存在しているのでしょうか?

 

境川に架かる橋は以下の通りです。

(並び順は上流部から下流部にかけて)

 

以上の通り、「両◯橋」は見つけることができませんでした。 

 

ということは境川はなにかの「境」にはなっていないのでしょうか?

ネットや大手の地図を検索してわかったことは、境川別府市内における字名の境界線になっているということだけである。参考資料として境川周辺を映しているマピオン地図のキョリ測のURLを載せておいた。この地図を見てみると河川の両岸におけるそれぞれの区画等に違いはみられず、とくにこの境川を境になにかが変わっているというポイントは見受けられない。

では本当に「境川」はただ単なる河川なのか。

 

 〈 マピオン地図はこちら 〉

https://www.mapion.co.jp/m2/route/35.675869978581765,139.75710916666668,6

 

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境川のほとりに◯◯碑あり!?

ここまで境川に架かる橋から境川がなにかの「境」になっているか考えてきたが、これといった手がかりがわかっていない。しかしながら前述した通り、全国各地には「境川」や「堺川」が存在しており、その多くが境界線になっているということでわずかな希望を持ってFWを進めていきます。

今回私は境川の上流部、いわゆる古戦場橋あたりから下流にかけてFWを行いました。 その道中、私はあるものと実に運命的な出会いをしたのです。

 

それがこちらです。

 

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さて問題です。写真中の赤い丸で囲まれたものはなんでしょうか?

ちなみにこの写真に写っているものは境川の右岸側のほとりで見つけたものです。

みなさん、考えはまとまりましたでしょうか。

 

ではこれを至近距離で撮影したものを提示しましょう。

それがこちらです。

 

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境界碑

 

さて、お分かりでしょうか。正解は「境界碑」でした。

そしてその碑は四角柱の形をしており南側に「別府町」、北側に「石垣村」と彫ってあります。つまり境川はかつて「別府町」と「石垣村」の境界だったのです。「別府町」「石垣村」という町名は現在使われていません。しかしながら「別府町」側にはJR別府駅や別府の中心部が、「石垣村」側には南石垣公園や石垣西通りなど「石垣」という地名が今でも使われています。この境界碑はどのサイトにも載っていないものなので貴重物ですよ!

 

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別府町と石垣村

 

この境界碑の場所を含めて、境川周辺をGoogleマイマップにまとめました。

位置関係などが文章だけでは不十分なのでぜひご覧になってください。

 

Googleマイマップはこちら 〉

www.google.com

 

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境川FWフォトギャラリー 

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お散歩に出かけましょう

今年は新型コロナウイルス感染拡大の影響で思うようにFWができていませんが、その代わりにおうち時間を有効に活用してたくさんの本を読むことができました。半年前まで本を1冊読み切るまで半年かかっていた自分が、1日で1冊読めるようになるまで成長できました。「コロナのせいで」ではなく「コロナのおかげで」享受できたものが多かった期間だったと個人的には思っています。

みなさんはどんなおうち時間を過ごしましたか?

 

今後どうなっていくかわかりませんが、少なくとも収束に向かうでしょう。

 

早く普段の生活に戻れますように、でも新しい生活様式か!?

 

また書きますね。

 

大学生フィールドワーカー / 大学生巡検人 山口泰

 

《 自己紹介 》

名前:山口泰輝(やまぐちたいき)

年齢:1999年生まれの21歳(大学3年生)

出身地:岐阜県可児市

現住所:大分県大分市

所属:大分大学教育学部(社会科教育)

趣味:フィールドワーク、散歩、アイドル、読書、セーリング、釣り、船舶運転など

行きたいところ:ローマ、両毛、千葉、鳥取、高知、山形など

 

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